いよいよ開幕した大阪・関西万博。
筆者は2日間行ってきましたが、とても良い経験だったと思っています。
そんな万博について、私がクローズアップしたいなと思ったのが今回の記事のテーマである「馬」でした。
「馬の心理士」を名乗る馬好きの私が感じた万博の魅力をご紹介します。
馬好きも楽しめる万博
結論から言うと、馬好きは今回の万博をとても楽しめると思います。
ここからは、現地で私が実感した馬スポットをレポートしたいと思います。
トルクメニスタンパビリオン
今回の出展パビリオンでもっとも馬推しなのがトルクメニスタン。
「どこ?」という感じですが、アフガニスタンとイランの間にある国で、現代では石油や天然ガスの産出国、過去にはシルクロードの中心として発展してきた国のようです。
大阪万博で毎日一つの国に焦点を当てて開催される「ナショナルデー」で、初日の担当国に選ばれたのもトルクメニスタンで、同日にはトルクメニスタン大統領が天皇陛下と面会されたことがニュースになり話題となりました。
外壁に馬!
そんなトルクメニスタンのパビリオンですが、外観に大きく馬が描かれています。
さらに外壁の大型ヴィジョンでは馬が駆ける様子や国技でもある馬術、軽乗の様子が流され圧巻です。
道行く人も「馬だ!」と言葉にしてしまうほど、インパクトがあります。
予約不要のため、待機列に並んで入場する形になりますが、並んでいる最中も馬を感じられるため、楽しめるでしょう。
回転率も高いため「結構並んでいるな」と思った日曜日中でも15分程度で入れました。


パビリオン内部では
トルクメニスタンパビリオンの内容はぜひ現地で確かめてほしいのですが、簡単に流れを紹介します。
まず館内に入ると大統領の写真がお出迎え。この時点で異国感が漂います。
次にシアターに案内され映像を視聴します。この映像がとても素晴らしく、トルクメニスタンの発展の歴史について学ぶことができ、ここで馬との深いつながりについても知ることができます。
シアターで映像を観た後は右手を進んで2階へ。
そこではトルクメニスタンの街や公共交通、名産品が紹介されており、その中に馬をテーマにした展示があります。
馬が身に着ける装飾品、馬に関する資料が映像とともに展示され、また至る所に馬の像が飾られていることからも馬とのつながりの深さを感じさせます。
3階は休憩所とテラスになっており、こちらもきれいな眺めを楽しめます。
1階のショップには金属製の馬が描かれたしおりが販売されていました。


馬の象徴
展示の中で気になる本がありました。
「A HORSE – A SYMBOL OF FAITHFULNESS AND HAPPINESS」と名付けられた1冊。
直訳すると、馬は誠実さと幸福の象徴であるというタイトルです。
章立ては以下の通り。
・Successful way – happy people! …成功への道 ― 幸せな人々!
・May your horse be fast! …あなたの馬が速くなりますように!
・First we nee a horse. …まずは馬が必要です。
・Fate granted by heaven. …天が与えた運命。
・Horse is life for a Turkmen man. …トルクメン人にとって馬は命です。
・Genealogy of Yanardag. ..ヤナルダグ※の系譜。
・Exeperience and perfection. …経験と完璧さ。
・Horses gallop on the holidays. …休日には馬が駆け抜けます。
※Yanardag…トルクメニスタン前大統領ニヤゾフ氏が所有したアハルテケ種の牡馬。トルクメニスタンの国章にも描かれている。
目次を見ただけでワクワクする内容でした^^
馬に癒されたことがある人にはとても共感できる内容なのではないでしょうか。
この本、大統領にも贈呈された本として、国を代表する一冊となっているようです。
パビリオン内ではゆっくり読む時間もないので、購入したいと思いましたがパビリオンのストアでの販売は無し。
どうにかして入手する方法はないかと調べましたが、ネット上でも流通しておらず現地でしか手に入らないのかと思います。
この本を入手する方法をご存知の方がいれば教えてください!

無形文化遺産に登録された馬「アハルテケ」
アハルテケは、トルクメニスタン原産の馬の品種で「黄金の馬」とも呼ばれ、世界に3000頭ほどしか存在しない希少な品種です。
トルクメニスタンのアハルテケに関する文化はユネスコの無形文化遺産にも登録されています。
中央競馬ではアハルテケS(ステークス)というレースも開催されているので名前は聞いたことがあるという人も多いかもしれません。
そのアハルテケがトルクメニスタンの馬だったとは驚きでした。
一説によると、三国志に登場する赤兎馬はアハルテケ種であったという説もあるようです。
ほかにも馬推しの国が!
馬推しなのはトルクメニスタンだけではありません。
様々な国が集まるコモンズパビリオン。コモンズDに入るモンゴルパビリオンはやはり馬が多く登場します。
特にパビリオン内のストアに販売されている馬グッズが注目。チンギス・ハンがテーマのものから馬を中心に描いたものまで。お財布やペンケースなど実用的なアイテムが販売されていました!

同じくコモンズDに入るタジキスタン。こちらは名産である天然石をテーマにした展示がされていますが、なんと天然石のタイルを敷き詰めて描かれた馬の絵がありました。
遠目からも近くから見ても、その美しさが目を引きます。

最後に紹介するのはスペインパビリオン。こちらはスペインの観光や文化を動画で紹介するゾーンに馬が登場します。
スペインも馬文化が根強い国として有名です。
国を挙げたイベントでこうして馬が紹介されるということは、とても嬉しいですね!

これらのパビリオンは予約なしで入れ、回転率も高いため比較的すぐに入ることができました。
メディアではほとんど取り上げられないパビリオンも、国を挙げての参加ということで見どころがたくさんあり、どれも素晴らしいものになっています。
万博を楽しむ
開幕前から様々な指摘があった今回の万博。
実際行ってみても、気になる点はいくつか感じました。
ですが、行った感想としては「良かったな」と思えるものでした。
事前の下調べや準備をしていけば、ある程度は快適に万博を楽しめると思います。
そして、何よりも世界各国が集まる地球規模のイベントが日本で行われているということの素晴らしさを実感できます。
各国のパビリオンでは日本とのつながりが紹介されています。
それぞれの国の魅力を知りつつ、日本の魅力も再発見できる素晴らしい機会になるのではないかと思います。
次に日本で万博が開催されるのは何十年後になるか分かりません。
そんな貴重なイベントが日本で開かれていることに感謝を抱きながら、ぜひ多くの人がこの万博を楽しんでくれると良いなと思います。
参考文献
THE PRESENTATION OF THE BOOK “A HORSE – A SYMBOL OF FAITHFULNESS AND HAPPINESS” IN INDIAN WAS HELD AT THE IIR OF THE MFA OF TURKMENISTAN : https://tajikistan.tmembassy.gov.tm/en/news/49589
Wikipedia Yanardag: https://en.wikipedia.org/wiki/Yanardag