頭に描く理想的なプレー状態
- リラックスしていて、 自由な状態の時
- 冷静で落ち着いている時
- 心配や神経質になっていない時
- エネルギーにみちあふれている時
- 楽観的で前向きな時
- 心からゲームのおもしろさを感じ、楽しんでいる時
- プレーが自然な (無理のない) 時
- プレーが自動的で無意識な時
- 精神的に集中していて研ぎ澄まされている時
- 精神的に隙のない時
- 非常に自分に自信を感じる時
- 自分自身をコントロールしている時
プレッシャーを感じたときの感情の反応
自分の自信を失わないために、感情をコントロールできない選手は防御する行動をとり始める。
これらの回避行動は選手の競争心や勝利へのチャンスを奪ってしまうものである。その回避行動は、感情の反応として外に現れる。
1 プレイヤーがあきらめてしまう場合
もし自分が負けるはずのない相手に負けても、私は努力していなかったとすれば、自分は実際にその相手に負けたことにならない。つまり、それほど傷つかない。
審判のせいや、台のせいにすることもあきらめと同じで、感情を崩壊させるものである。
2 プレイヤーが怒ってしまう場合
否定的な感情に流されて、気分の成り行きにまかせてしまい 「落ち着きを失っていたからで、負けたことにならない」といいわけをする。
3 プレイヤーが不安になる場合
息の詰まるような心理的圧迫を感じることである。不安や恐れを抱くととても脆くなるが、上記の1、2よりまし。まだ、感情的に引き下がっていない。 精神的な粘り強さまであと一歩の段階。
4 プレーヤーが挑戦するようになる場合
この場合が、精神的粘り強さ (メンタルタフネス) の意味するところ。危機的状況や逆境を感情的な挑戦意欲に変えるのである。
このメンタルタフネスを身に付けるためには、試合に勝つことやスコアよりプレイすることや苦しみに勝とうとすることを愛さねばできないだろう。
この挑戦的意欲が、偉大な選手ととそうでない者の境目である。そして、このメンタルタフネスが「訓練によるもの」であることが、私たちにとって最も重要である。
メンタルタフネスを身に付けるための訓練
1 集中力を高める視線のコントロール
①プレーの合間にボールに視線を集中しておくことは、プレー中のボールへの集中力を高める。
・ボールに視線を集中しておくことは、プレー中に速いスピードで行き交うボールを視線で追うことを非常に楽にしてくれる。
②プレーの合間に視線をボール、ラケットに集中させておくことは、感情のコントロールに役立つ。 また、精神的な集中力を高めることにつながる。
・不利なコールをした審判や自分のミスに拍手する観衆に目を向けることは、自分自身の怒りを誘い、冷静さを失う結果となる。
・コントロールを失った視線は、不安定な感情につながる。視線をコントロールすることは、恐れという感情をコントロールするのにも役立つ。
・精神的に何に集中しているかは視線が何に集中しているかによって決まる。視線の集中と精神を集中させることは、きわめて直接的なものである。
2 精神を安定させる 「儀式」の重要性
「儀式」を持つ効果として自分のプレーのリズムが取り戻せ、プレッシャーから脱出できる。
集中力を乱されたとき、ある一定の儀式を忠実に守り、 精神的な集中力を高める。筋肉に適度なリラックスを与える。 (身体を前後に動かす、ラケットを振るなど)
①サービスの「儀式」の例
*身体面
1 ゆっくりサービスの位置に立つ
2 相手を見る。手を振る。深呼吸する。
3 ラケットを含め、すべての動きを2秒間止めて狙いをつける。
4 サービスモーションに入り、サーブする。
* 精神面
1 「リラックス」して「穏やかに」サーブしようと考える。
2 完璧なサービスを打っているところを想像する (頭の中で映像化する)
3 ボールを打ったときの感触、サービスのコースを頭の中に精 密に描き出す。
② レシーブの「儀式」の例
* 身体面
1 ゆっくりと身体を揺すり、全身の筋肉をリラックスさせる。長い深呼吸を一回する。腕をリラックスさせるために手を握る。視線は相手の手にあるボー ルから離さない。
2 サーバーが位置についたら、足の爪先側に体重をかける。感情を高める。
3 サーバーがトスしたら、こきざみなステップをふんでボールをとらえる。
* 精神面
1 「リラックス」と「穏やか」といった言葉を思い浮かべる。
2 力を蓄え、攻撃的に、しかもコントロールして相手コートにすさまじいレシ ーブを打つところを思い浮かべる。
3 思い通りのレシーブがどれだけ爽快なものかを、実際に経験しようと試みる。
3 感情をコントロールする呼吸法
① よりよいプレーを生み出す呼吸法のポイント
1 不規則な呼吸は、精神集中の乱れを意味する。(脳には酸素が必要)
2 一般的に下手な選手ほどプレー中やプレー間の呼吸にリズムを持たない。
3 ほとんどの選手は、ボールを打つ瞬間息を止めるが、これはオススメしない。(筋肉が緊張を増し、正確さを失う)
4 ボールを打つ瞬間息を吐くようにすると、良い結果が生まれる。 (プレーにリズムが生まれる。長く吐き出すほど、結果はよい)
5 ボールを打つ瞬間、うなるように息を吐くことは、リズムのある呼吸をより確かなものにする。6 うなり声が大きい場合、 良い結果は生まれない。(長く続く 「あー」という感じのものがよい)
7 呼吸法をコントロールすれば、試合に対する闘志をかき立てることができる。
② 正しい呼吸法を身に付けるために
1 プレー中のボールを打つときのタイミングと呼吸のタイミングを完全に合わせる。
・ボールが近づいてくるときに息を吸い、ボールをとらえる瞬間に息を吐き出すようにする。
・空気を強く長く吐き出すようにする。「あー」という音とともにボール ち返す感じをつかむ。
2 プレッシャーを感じるときは、プレーの前に深呼吸をする。
・腹の底から息を吐き出す。
・肩を上げ鼻から吸う。吐くときは口から長く途切れることなく出すとと肩を下げるとリラックスできる。
3 チェンジエンド、次のセットに入るときの正しい呼吸法を行う。
・およそ4つ数える間に鼻からゆっくり息を吸い込み、2つ数えるあいだ息をゆっくり4つ以上数えながら口から息を吐く。 (吐く 止め、時間が長いほど効果的)
4 呼吸のコントロールで、試合中の気持ちを高くする。 (プレーに身が入らないときや積極性に欠けるとき)
・ジャンプを繰り返して、足の親指の付け根を刺激するとともに、3、4 回口ウソクを吹き消すように強く息を吐き出してみる。激しい闘志がわいてくる。
自信を生み出すメンタルトレーニング
① 「自信」という感情に対する認識を改める
自信とは感情の一種に過ぎず、自分でコントロールできるものである。
② 身体的な問題をまず最初に解決する
身体面の強化と体調を良くする。
③ 自信を持っているときの自分を演ずる
自信があるように見せる。 自信があるように見せることは、自信という感情をコントロールするのに有効で、かつ簡単だ。自分が自信を持っているように外面的に振る舞えばいいのである。
・胸を張った歩き方、ラケットの回しかた、肩の動きなど細かい部分からやる。
④ あらゆる状況で自分に厳しくなること
自分に厳しくすることは、自分を信じることにつながる。この訓練で、自分をコ ントロールしているしているという意識が次第に高まってくる。
・無言清掃をする、 練習に遅れない、家で勉強をやる、など
⑤ 試合に負けても自分のミスのあら探しをしない
自分の良い点を見つけ、しっかりと自分の良いプレーを身体に覚え込ませる。
⑥ 積極的な考え方をしっかり身に付ける
否定的な考え方は、自信という感情をなし崩してしまう。
「私にはできる。私はだんだん強くなっている。私の自信はだんだん大きなものになっている。私は挑戦することが好きなのだ」という言葉を頭の中で常に繰り返し、 言葉通り実行している自分を頭の中に描き、自信を持っているという感覚を伸ばす。
びびりを克服するために
・びびりと神経質という言葉はほぼ同じである。 両方ともプレーのプレッ シャーに対 する恐れの感情である。選手は負けそうだと感じる状況の ときもっともびびりやすい。
・精神的に弱い選手にはびびりらない。びびらない選手はただあきらめる か、かんしゃくを起こすだけである。
びびりは常に気持ちの積極性を示すサインで、ベストの状態にわずか一歩でも踏み出していることをあらわしている。
皮肉なことに、選手はこの時かなり精神的強さを発揮する。しかし、一般的にベストのプレーをする能力を妨げるように働く。
びびりを克服するための6つのステップ
① 素直に神経質になっていることを悟ること
神経質になっている感覚を否定したり、隠したりしない。神経質になっていることを認知できれば、より効果的な自己管理ができる。
② ポイントの間のすべての動作をゆっくりと時間をかけて行う
転がったボールを走って取りにいったり、サーブに移る動作を急がない。
③ プレーを始める前に少なくても一回深呼吸をする
呼吸のリズムが乱れるので、深呼吸をして呼吸のリズムをいつも通りにする。
④ 儀式的動作を念入りに行うこと
儀式的な動作は集中力を高め、プレーを急ぐことを防ぎ、筋肉をリラックスさせてくれる。
⑤ 外観だけでも穏やかにクールに見せる
⑥ 確率が高く、しかも積極的な卓球を心がける
もっとも難しいステップである。神経質になったときはミスのないようプレーしてしまうか、力まかせに打ってしまうものだ。
・もっとも自信のあるショットを用いポイントをとるようにする。そして、プレーぶりは積極的でなければならない。こうしたプレーの目的は自分のミスを防ぎ、相手にミスをさせることである。
・プレーの合間には「リラックス」「あせらずに」といい聞かせる。
消極的な独り言を封じるために
多くの選手は試合中、自分が消極的な言葉を言っていることに気がついていない。試合が思うように運ばないとき、私たちは知らず知らずのうちに自分を追い詰める言葉がけをしている。
消極的な独り言はプレーのレベルを低下させる。
① 消極的な独り言の例
・弁解と愚痴(泣き言) 「このラケットは何だ。こんなのじゃプレーできない」「こんな台じゃあ、まともなプレーができない」「こんな暑さでは、 僕はへとへとだ」
・自己攻撃と自己叱咤 「僕はなんておろかなんだ」「しまった。 なんてバカなんだ」「ボールをよく見ろバカ」
②消極的な独り言を消し去る
消極的な独り言をつぶやかないと誓う。
・自分がつぶやいていることに気がついたら、 いつでも 「やめろ」「ストップ」と言う。
・「やめろ」 と言った後、 黙ってプレーをしても、「やってやるぞ」「さあ来い」といった積極的な言葉をつぶやいても良い。
・くじけそうになったら、 自分で自分にカツを入れる。自分の消極性は自分でコントロールできる。
闘うことを愛するために
① 自分は何に対して立ち向かっているのかを理解し認識する
② 異常ともいえる感情的反応を知る
選手のほとんどは自分のプレーに関すること全てが望み通りに進んでいくことを期待している。しかし、こうした期待感は危険な感情の1つであることを忘れてはならない。卓球は常に自分の思い通りに行くとは考えられない。
勝っているときは誰でも精神的にタフである。逆境に立たされたとき、メンタル・タフネスは最大限に試される。
ものごとを楽な気持ちで考えるべきである。卓球の試合は、新たな驚きを与えてくれるものだと考えよう。
勝利を愛するのでなく、精神的、肉体的に闘うことを愛し始めたとき、あなたのメンタルタフネスは大きな一歩を踏み出したといえる。
闘いを愛するということで、ジミー・コナーズは至高の師である。
彼は、闘いを愛していることをはっきりとその態度にあらわす。
「心の中で立ち直るまでうわべでごまかす」という金言を実践している。
※この記事はhatake.life.coocan.jp様のHP(現在閉鎖中)に掲載されていた内容を一部加筆修正したものです。
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