この記事の要約
- 筆者は心理士として、仕事に関する様々な悩み相談を受けてきた経験から、人それぞれに合った働き方、幸せの形があることを実感しています。
- WHOのメンタルヘルスの定義では、働くこと、コミュニティに貢献することが明示されています。つまり、心の健康と仕事には深い関連性があると言えます。
- 筆者は、精神的に健康に働くための考え方として、「ワーク・エンゲイジメント」を特に重視しています。
- ワーク・エンゲイジメントとは、「働きがい」と同義であり、活力、熱意、没頭の3要素で構成されます。
- 仕事から活力を得て、誇りを持って没頭できる状態は、心身の健康を高め、生産性向上にもつながります。
- しかし、ワーク・エンゲイジメントは仕事への没頭が強いため、ワーカホリックとの関連も指摘されています。
- ワーカホリックは精神的健康を低める働き方であるため、ワーク・エンゲイジメントもバランスを欠くと、健康に悪影響を及ぼす可能性があります。
- ワーカホリックの予防には、「仕事の動機」が重要です。
- 社会貢献やより良い未来を志すことは重要ですが、お金や地位を追い求めることはワーカホリックにつながる可能性があります。
- 筆者は、科学的に実証された「働きがい」を意識することで、より多くの人が仕事を通して幸福になれると考えています。
はじめに
働くということについて、どのような価値観を持っているだろうか。
私の仕事への価値観は、ただお金を稼ぐ以上のこと。
今よりすこしでも良い社会に。
それが働く動機となっている。
心理士として受けてきた仕事についての相談
これまで心理士として仕事に関する悩みについても色々な相談を受けてきた。
・スキルや経験に関すること
・仲間関係に関する悩み
・やりがいがない、勤務条件が希望に合わない
・仕事の負荷が高すぎる
そして、そこにはそれぞれの答えがあった。
一人ひとりの幸せの形があった。
・ある人は現状維持を選んだ
・ある人は新天地を求めた
・ある人は働き方を変え仕事量を減らした
・ある人は医療的ケアを優先させた
・ある人は仕事に関する考え方を変えた
・ある人は仕事の優先順位を下げた
決して同じ最適解があるわけではない。
それは仕事や働き方に無限のバリエーションがあることにも関係している。
心の健康と仕事の深い関連
仕事が人生の全てではない。
それでも、人生の大半の時間を費やす仕事から幸せを得たいと思うことは自然なことかもしれない。
WHO(世界保健機関)のメンタルヘルスの定義は「人生のストレスに対処しながら、自らの能力を発揮し、よく学び、よく働き、コミュニティにも貢献できるような、精神的に満たされた状態」とされており、働くこと、コミュニティに貢献することが明示されている。
そのことからも、心の健康と仕事は深い関連があると言えるだろう。
科学的に証明された働きがい「ワーク・エンゲイジメント」
精神的に健康に働くためにはいくつかの考え方があるが、私が特に重視しているものは「ワーク・エンゲイジメント」だ。
オランダの心理学者Schaufeliが提唱した概念で、日本語では「働きがい」と同義とされる。
ワーク・エンゲイジメントは活力、熱意、没頭の3要素で構成される。
「仕事から活力を得ていきいきとしている」(活力)
「仕事に誇りとやりがいを感じている」 (熱意)
「仕事に熱心に取り組んでいる」(没頭)
厚生労働省 令和元年厚生労働白書から引用
仕事からも活力を得られ、誇りを持って没頭できるという状態になれれば、仕事をすることで心身の健康が高まることは当然といえる。
また、こういった状態は生産性も高まり、仕事の結果も得られやすくもなるだろう。
職業人として生きるならば、こういった働き方を目指したいと私は思う。
ワーク・エンゲイジメントの光と影|ワーカホリックとの関連
ただし、ワーク・エンゲイジメントは仕事への没頭が強いということもあり、同じく仕事に没頭した状態であるワーカホリックとの関連も示唆されている。
ワーカホリックは精神的健康を低める働き方であるとされている。
つまり、ワーク・エンゲイジメントも一歩踏み外せばワーカホリックとなり健康に悪影響を及ぼしかねないということだ。
ワーカホリック予防には仕事の動機が大切
ワーカホリック予防としては、「仕事の動機」が大切であると言われており、私も同じ考えを持っている。
動機としては社会への貢献、よりよい未来を考えられるかということが重要だと考えている。一方でお金や地位といったものを追い求めることはワーカホリックに繋がる。
働きすぎは悪いことか|働き方改革を考える
いつも仕事のことを考えていると、周りからは「働きすぎ」と言われ、健康を心配される。
でも、仕事が好きで、楽しい時間ならば、働いていても苦にはならない。むしろ健康が高まっている。
ワークライフバランスが叫ばれ、残業にネガティブなイメージがついてしまった現代だが、私は健康を高める長時間労働は賛成という立場にいる。
もちろん、カウンセリングの現場では、仕事に対する価値観は人それぞれなので、どのような働き方がその人に合うのかというものも、個別のケースに合わせて判断していくが、科学的に実証された「働きがい」というものを意識すれば、もっと多くの人が仕事を通して幸福になれると私は思う。
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