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国立国会図書館で電子ジャーナルを印刷する方法

学会・研修報告など

先日、国立国会図書館関西館に行った。
目的は海外の電子ジャーナルに掲載されている論文の印刷だ。
国会図書館には遠隔複写というサービスがある。
これはとても便利で、良心的な価格で資料のコピーを手に入れることができる。
ただ、遠隔複写は発送までに5開館日程度かかってしまう。
今すぐほしい資料は、やはり現地に行ってコピーをするに限る。
今回、国会図書館での電子ジャーナルの印刷を行った。
その時、やや情報不足で不便さを感じたので、今後同じように現地での複写を考えている方に向けて参考になる記事を書くことにした。

国会図書館を最速で利用する方法

国会図書館で複写を行うためには、当然のことであるが、まずは国会図書館に入れるようにしなければいけない。
そのためには図書館の利用者登録が必要である。
手続き自体は難しいものは無い。
ただ、思い立ったが吉日。
これを読んだらすぐに国会図書館で複写をしたいと思う方もいるだろう。
そのために、実際に私も行った、国会図書館を最速で利用する方法をはじめにレクチャーしたいと思う。

簡易登録を行う

国会図書館の利用者登録には「本登録」と「簡易登録」の2種類がある。
そして、実際に国会図書館を来館利用するためには「本登録」が必要となる。
本登録をする方法として、私がおすすめするのは簡易登録から本登録へ図書館現地で移行をする方法である。
その理由は即日登録ができるという点が挙げられる。
簡易登録はネット上で即日完結し、利用者IDが発行される。
簡易登録完了後、現地の窓口に必要事項を提示することで、本登録に移行することができる。

利用したいときに利用開始できる

簡易登録はインターネットから登録ができ、その日のうちに完了する。
一方でいきなり本登録をすると、5開館日程度がかかってしまう。
簡易登録から本登録へ、図書館現地で移行する場合にはそのタイムラグは生じない。
つまり、利用したいときに利用開始ができる。
簡易登録から本登録へ移行する手続きは、現地の窓口で数分で終了する。
ほしい資料が見つかったらすぐに欲しいと思うのが研究者心理だと思う。
その希望を叶えてくれるのが、この方法であるといえる。

電子ジャーナルを印刷する方法

利用者登録が完了したら、館内に入ることができる。
それでは実際の電子ジャーナルの印刷方法を解説していこうと思う。
※館内は写真撮影禁止のため画像でお示しできないことはご了承いただきたい。

欲しい資料を探す|ブラウザはFirefoxを選ぶ

印刷をするならば欲しい資料を探さなければいけない。
その際に論文を探すために館内の端末を利用することとなる。
その端末には「Google Chrome」と「Firefox」の2つのブラウザが入っている。
一般的なシェアではChromeが圧倒しているだろう。
私もはじめはChromeを使用したのだが、動作が安定しない。フリーズが多発するのだ。
電子ジャーナルを検索するだけでも一苦労という状態だった。
ところが、端末に入っていたもう一方のブラウザ、Firefoxで同じように論文を探すと、スムーズに検索ができ、その後の手順も踏むことができた。
もちろん、これは私が使った端末固有の不具合だったのかもしれないが、館内の端末ではFire Foxをまずは試してみてほしい。

欲しい資料をダウンロードする

欲しい資料は、それぞれの電子ジャーナル掲載サイトから検索し見つけることができる。
国会図書館が契約している電子ジャーナルの一覧ページは、特に迷うことなくたどり着くことができるはずだ。
電子ジャーナルのサイトは自動的に国会図書館の機関アカウントでログインされているので、特にログインなどの必要はない。
そこで欲しい論文を検索し、PDFとしてダウンロードする。

PDFを印刷する

ダウンロードしたPDFを表示し、それを印刷する。
その際も特にプリンタの設定などはいじらなくても問題ない。
そのまま印刷指示をかければいい。
この印刷指示はあくまでも館内システムを呼び出すための指示であるので、すぐさま資料が印刷されるわけではない。

複写依頼をする

印刷指示をかけると、国会図書館のシステムページが表示され、複写の細かな調整(カラー・モノクロの指定や用紙サイズ、印刷範囲など)が可能となる。
また、ここでは複写にかかる料金も表示されているので、気になる方は確認をしておくとよいだろう。
調整、確認が完了したら、複写依頼をかける。
その後は複写依頼の受付で利用者カードを提示することで複写依頼の手続きが終了となる。
受付後に複写の整理番号が手渡され、所定の時間が経過し、支払いを行うことで複写物を受け取ることができる。
量にもよるのだろうが、2つの論文を印刷した私の場合は5分程度の待ち時間で複写が完了した。

電子ジャーナルの印刷方法の説明は現地にはありません

ここまで解説した手順は国会図書館のHPには記載がなく、現地でも特に説明書きなどはされていなかった。
もちろん、図書館のスタッフに聞けば教えてくれるのだろうが、端末ブースから複写受付は離れているため面倒さは否めない。
そして、これだけの手順に関する説明がされていないのは不親切では?とも感じてしまうのだが、格安で電子ジャーナルの論文が手に入ることを考えれば致し方ないとも思える。

国立国会図書館関西館に行ってみよう

そんな国会図書館だが、関西館はまた行ってみたいと思える素敵な場所だったと思っている。
その理由は建物の持つ魅力と周囲の環境にある。

魅力的な建物

関西館は屋根の高いとても開放的な建物が印象的である。
エントランスから別世界に来たかのような印象を抱かせてくれる。
館内もとても綺麗である。そして、数々の資料が所蔵されている書庫は圧巻である。
もちろん心理学関連の本も充実している。
1日いても飽きないくらいの魅力が詰まった場所ではないかと私は思う。

学びとリトリート

そして、関西館が建っているのは、「けいはんな学研都市」という国家プロジェクトで作られたサイエンスシティである。
そこには様々な研究施設、教育関連施設、文化施設が立ち並んでいる。
都市部から少し離れた場所に位置しているため、都会の雑踏は感じない。
そして、関西館の近くには「けいはんな記念公園」という大きな公園が存在する。
祝園駅からバスで関西館に向かう際には、少し手前の公園のバス停で降りて、公園を散策しながら向かうことで、道中も楽しめる。
それは学びとともに、心身のリフレッシュにも繋がる、一種のリトリートとしての機能も持つと私は考える。

まとめ|国会図書館を使う権利

この記事を読んでいるほとんどの方は日本の国民で日本という国に税金を払っていると思う。
その税金で国会図書館という素晴らしい施設が維持されている。
我々はそれを最大限に活用して、新たな価値を創造していくことで、わが国だけでなく世界に対しての貢献にも寄与できるのではないだろうか。
国会図書館の使命は法律で定められている

「真理がわれらを自由にするという確信に立つて、憲法の誓約する日本の民主化と世界平和とに寄与することを使命として、ここに設立される」

国立国会図書館法 前文

国が用意した開かれた文化施設。それをうまく利用していく力を私たちが持つことも重要なことであろう。
これを読んで興味を持たれた方は、ぜひ国会図書館に行ってみてほしい。

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